数学I・数学A
全体概観

大問構成、配点は変化なし。問題量は増加し、難易度も上がった。 


大問数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

選択問題なしの大問4題の構成は昨年と変化がなかった。また、各大問の分野構成も昨年と同じ。第1問後半で、昨年に続き、集合と論理が題材として扱われている。各大問の配点は昨年と変わりない。第1問、第2問は基本〜標準的な問いが多くを占めているが、第3問、第4問の難度が高く、時間を要する問題の割合が高くなった。総じて、平均点は下がると思われる。

 

大問

出題分野

配点

2010

第1問

数と式,方程式

20

集合と論理

第2問

2次関数

25

第3問

図形と計量、平面図形

30

第4問

場合の数と確率

25

2009

第1問

方程式と不等式

20

集合と論理

第2問

2次関数

25

第3問

図形と計量、平面図形

30

第4問

場合の数と確率

25

2008

第1問

方程式と不等式・2次関数

20

集合と論理

第2問

2次関数

25

第3問

図形と計量、平面図形

30

第4問

場合の数と確率

25

2007

第1問

方程式と不等式

20

集合と論理

第2問

2次関数

25

第3問

図形と計量、平面図形

30

第4問

場合の数と確率

25


過去の平均点の推移
2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000
63.96点 66.31点 54.06点 62.36点 69.43点 70.17点 61.17点 63.78点 64.87点 73.68点
1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990
50.71点 63.45点 66.40点 51.54点 56.41点 56.80点 69.14点 56.93点 50.72点 73.37点

設問別分析
【第1問】数と式、方程式、集合と論理    
[1](数と式、方程式)
 無理数を含めた4数の大小を評価する問題。2数ずつの大小を比べ、そのうち小さい数同士の差を取って調べればよい。基本的な考え方ができれば解答は容易であると思われる。

[2](集合と論理)
 整数に関する問題。前半は、昨年同様、必要十分条件の判定問題。後半の、集合同士の関係をベン図でとらえさせる問題は目新しい。正確に包含関係を捉えられなければ正しいものが選べない。

【第2問】2次関数   
 二つの2次関数についての問題で、全体的に基本問題のみの出題。以前のような、軸の位置による場合分けなどの複雑な作業が必要な場面は影を潜めた。最後の平行移動の問題では目新しい設定があったものの、落ち着いて考えれば解答は容易であろう。

【第3問】図形と計量、平面図形   
 直角三角形と、それに内接する円についての問題であり、内部にできる色々な三角形について余弦定理や正弦定理を利用し、また相似形を見つけて相似比を利用して長さを考えることができる。幾何の問題が苦手な者にとっては解答しづらい問題かもしれない。

【第4問】場合の数と確率    
 袋に入った玉からいくつかの玉を取り出し、等しい数字のペアが何組できるかを考える問題。得点が3パターンしかないことから、期待値の計算は容易である。