世界史A
全体概観

19世紀以降の問題が8割近くを占めた。難易度は昨年並み。 


大問数 減少 | 変化なし | 増加 
設問数 減少 | 変化なし | 増加 
マーク数 減少 | 変化なし | 増加 
難易度 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

昨年、一昨年度に続き、大問数は3問。大問1つにつき小問が11問という形式である。誤文選択が7題と昨年より増加。略年表を使った問題や出来事の年代を配列する問題も増加したが、a・b2つの文の正誤判定は3問と昨年の半分となった。リード文のあとに写真図版が2箇所出たが、どちらも問題に直接関わるものではなかった。年代(世紀)を問う形式も多く、世界史の流れを理解していないと難しかったであろう。語句を選ばせる設問が昨年より増えた一方、選択肢の一文が長いものもあり、複数の観点から正解を求める必要があった。平均点は昨年並みと思われる。

 

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2010

第1問

支配者・指導者による近代化の試み

11

11

33

第2問

社会変革を目指す思想・運動・国家

11

11

34

第3問

技術や資源開発の歴史

11

11

33

2009

第1問

モニュメントや歴史的建造物

11

11

33

第2問

人々の移動や離散

11

11

34

第3問

世界史における伝統と変革

11

11

33

2008

第1問

帝国の歴史

11

11

33

第2問

災害や環境問題とその対策

11

11

33

第3問

通信、交通やコミュニケーション

11

11

34

2007

第1問

戦争と軍隊

11

11

34

第2問

海を越えた移動と交流

11

11

33

第3問

世界史における中央と周縁

11

11

33


過去の平均点の推移
2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000
44.18点 49.28点 47.35点 44.87点 44.32点 45.96点 43.37点 44.28点 45.28点 42.97点
1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990
46.53点 50.69点 51.74点 64.62点 63.52点 63.76点 65.71点 71.37点 72.45点 64.54点

設問別分析
第1問
支配者・指導者による近代化の試み
Aは18世紀以降のオスマン帝国、Bはメキシコ革命、Cはロシア皇帝アレクサンドル2世による「大改革」がリード文であるが、20世紀後半を問う問題も出題されている。全体としては、ほとんどが近現代史で、問2と問11で3つの事項の年代配列を問う6択問題が出題されたが、すべて教科書レベルの基本年号であった。

第2問
社会変革を目指す思想・運動・国家
Aは19世紀ヨーロッパで広まった社会主義思想、Bは中国の太平天国の運動、Cはソ連の成立から崩壊について問うている。すべて19世紀以降の問題である。全体的に標準的な問題であるが、日本に関わる出来事も出題され、世界史の中の日本の動きにも注目する必要がある。問2のような単純誤句選択問題は昨年は1問だったが、今年は5問に増加した。

第3問
技術や資源開発の歴史
「技術史」がテーマとされ、古代からの技術に関する問題が多く出された。Aはインドについての内容で、リード文のあと糸車に関する2枚の写真図版を使用。問4は「18世紀の発明」に関する問題で、時代認識が定着しているかが問われている。Bは万博を中心とする科学・技術の誇示についてで、リード文のあとにシカゴ万博の巨大観覧車の写真図版が添えられているが、問題に直接関わってはいない。問7で「電気冷蔵庫の普及」が出題されるなど、生活に密着した事象が重視される傾向は、昨年までと同様である。Cは石油資源の発見がテーマであった。第3問では第二次世界大戦以降の設問が4つ出題され、学習進度によって差がついた可能性がある。